旅人算と気がつきにくい問題の解き方と解説

旅人算解説

旅人算と気がつきにくい問題の解き方と解説

中学入試では、すぐに旅人算だとわかるような問題はあまり出題されません。
そもそも、「何算」なのかさえわからないような問題が一般的です。

 

こうした問題の解き方を今回は解説します。

 

【貯金額を求める旅人算】
姉は貯金が8,000円あり、弟は貯金が5,000円あります。
これから姉が毎月400円ずつ使い、弟は200円ずつ貯めるとすると、何か月後に姉と弟の貯金が同じになるでしょうか?

 

どこにも「旅人」や歩いている人が出てきませんがこれも旅人算の考え方で解けます。
この貯金額を計算するというのは旅人算の応用問題として有名です。

 

では、解き方を見てみます。

 

貯金額を求める旅人算の解き方

この問題は旅人算の中の出会い算と同じ考え方で解けます。

  • 姉と弟の貯金の差…二人の間の距離
  • 姉と弟の金額の変化…二人のスピード

と考えます。

 

出会い算と同じなのは、は毎月決まった金額を使いは反対に貯めるからです。
二人とも使う(または貯める)のであれば、追い越し算の考え方になります。

 

姉と弟の貯金額の差は
8,000円−5,000円=3,000円です。

 

一か月で縮まる金額の差は、
400円+200円=600円です。

姉は400円使い、弟は200円貯めるので、二つの和が縮まる金額になります。

 

貯金額が同じになるということは、貯金額の差が0(ゼロ)になるということなので、
3,000円 ÷ 600円 = 5ヶ月 が答えとなります。

 

答え.5ヵ月

 

追い越し算パターンの問題

【貯金額を求める旅人算】
姉は貯金が6,000円あり、弟は貯金が4,000円あります。これから姉は毎月300円ずつ貯金し、弟は毎月500円ずつ貯金すると、何か月後に姉と弟の貯金額が同じになるでしょうか?

この文章にも追い越したり、出会ったりする人が出てきませんが、これも旅人算で解けます。

 

考え方は上で紹介した問題のときと同じ。

  • 姉と弟の貯金の差…二人の間の距離
  • 姉と弟の金額の変化…二人のスピード

ただし、今度は姉も弟も貯金します。
これは同じ方向に進んでいるのと同じことです。

 

違いは貯金する金額。
姉が毎月300円なのに対し、弟は500円貯金します。

 

ということは、500円−300円=200円多く弟が貯金していることになります。
つまり、毎月200円ずつ二人の差が縮まっていくのです。

 

最初の貯金額の差は姉6,000円−弟4,000円=2,000円です。
これが毎月200円ずつ縮まるのです。

2,000円÷毎月200円=10か月

これが答えとなります。

 

答え.10か月

 

貯金額を求める旅人算の練習問題

最後に確認問題です。

兄は貯金が4,500円あり、妹は貯金が500円あります。これから兄が毎月150円ずつ使い、妹は250円ずつ貯めるとすると、何か月後に姉と弟の貯金が同じになるでしょうか?

自分で解いてから答えを見てみましょう。

 

正解・解説を表示

兄と妹の貯金額の差は、
4,500円 − 500円 = 4,000円。

 

一か月で縮まる貯金額の差は
150円 + 250円 = 400円。
(兄は使い、妹は貯めるので、金額の和が縮まる額)

 

4,000円 ÷ 400円 = 10ヶ月。

 

答え.10ヶ月後