中学受験の算数に出てくる過不足算についての解き方の解説です。
過不足算(配る数を変える基本問題)の解き方では、何人かで分けるとあまったものが、人数を変えて分けるとあまりがなくなり、ちょうど分けられるケースの過不足算についてでした。
今回は配る数を変えてもあまりが出てしまう過不足算についてです。
では、問題文から見ていきます。
【配る数を変えても「あまり」が出る過不足算】
クラスみんなにリンゴを一人3個ずつ分けると28個あまり、一人5個ずつ分けると4個あまります。クラスの人数とリンゴの数を求めなさい。
何個ずつ分けても、あまりが出てしまう過不足算の問題です。
解き方は人数を変えるとあまりがなくなる(ちょうどになる)ときと同じです。
リンゴを一人3個ずつから一人5個ずつにしたということは、一人2個ずつ増やしたということです。ここまでの考え方は数を変えたらあまりがなくなった問題と同じです。
一人2個ずつ増やしたら、あまりが28個から4個に減ったことになります。
減った数は28個−4個=24個ですね。
あまりが24個減ったのは、一人に2個ずつ増やして分けたからです。
何人で分けたか分かりますね。
24個÷2個=12人です。
人数が分かればリンゴの数も分かります。
「一人3個ずつ分けると28個あまる」ということは、12人に3個ずつ配ると28個あまるということです。これを式にすると、12人×3個+28個=64個。
「一人5個ずつ分けると4個あまる」でも同じです。
12人×5+4=64個。
答え.人数は12人、リンゴは64個
数字を変えた別の問題で、もう一度、解き方を確認しておきましょう。
いちごをクラス全員に5個ずつ配ると40個あまり、6個ずつだと12個あまります。クラスの人数とイチゴの数を求めなさい。
まず最初に考えることは、配る数を変えたら、あまりの数がどう変わったかです。
配る数を一人あたり1個増やしたら、あまりが28個減ったということは、28人に配ったということになります。これがクラスの人数です。
あとは、どちらかで計算すればOK。
28人に5個ずつ配ったら40個あまったで考えます。
28人に5個ずつ配ると合計は28×5=140個。
さらに40個あまったいるので、合計は140+40=180個となります。
答え.クラスの人数は28人で、イチゴの個数は180個
人数を変えても足りない(不足する)という場合でも考え方は同じです。
下記の練習問題で確認しましょう。
ミカンを一人7個ずつ分けると68個足りず、一人4個ずつ分けると5個足りません。人数とミカンの数を求めなさい。
正解・解説を表示
問題文を整理すると、
となります。
つまり、ミカンを分ける数を一人3個ずつ減らすと、不足分が68個から5個に63個減ったことになります。
この不足分が減った分=分ける数を減らした分 なので、
63個 ÷ 3個 =21人 が人数となります。
人数からミカンの数を求めると、「一人4個ずつ分けると5個足りない」ので、21人×4個=84個。
84個には5個足りないということなので、84−5=79個となります。
答え.21人、ミカンの数79個