和差算についての解き方の解説2回目です。
和差算は公式に当てはめることが出来れば簡単に解ける問題ですが、和差算の問題だと見抜くところが簡単ではありません。見抜けないと公式を使うことができません。
特に中学入試レベルの文章題となってくると、すぐには和差算と分かりません。
例えば、次の問題を見てください。
【数字が出てくる和差算の問題】
2から20まで全部で10個ある偶数の数のうち9個を足したものから、残りの1個の数字を引くと82になりました。引いた数はいくつでしょうか?
数がいくつも出てきて混乱しそうですが、これが和差算で解けます。
順番に見ていきましょう。
まずは問題文の確認です。
2から20まで全部で10個ある偶数を並べてみます。
2,4,6,8,10,12,14,16,18,20ですね
この中から9個の数字を足した合計と、残りの1個の数字を引くと82になるというわけです。和差算では「大」「小」異なる2つの数字の和と差が分かれば、それぞれの数字が分かります。
そこで、この問題では、「9個を足したもの」を「大」、「残りの1個」を「小」とすれば、和と差が分かります。差は問題文にあるように「82」。あとは和を求めます。
「9個を足したもの」と「残りの1個」の和とは、2から20まで10個の数の合計。
2+4+6+8+10+12+14+16+18+20=110
順番に端から足していくよりも、一番左「2」と一番右「20」を足したもの「22」の組み合わせがいくつできるか数えるのがコツです。
「4」+「18」=「22」、「6」+「16」=「22」…
これで計算すると「22」×5で合計が110と分かります。
ココまでを整理すると…
あとは公式にあてはめるだけです。
大 = ( 110 + 82 ) ÷ 2 = 96
小 = ( 110 − 82 ) ÷ 2 = 14
問題は「引いた数はいくつでしょうか?」なので、答えは「14」となります。
答え.14
別の問題で、もう一度確認してみましょう。
【数字が出てくる和差算の問題(2)】
1から100までにある奇数の数字から1つの数字を除いて残りをすべて足した値から、取り除いた1つの数字を引くと2358になりました。引いた数字はいくつでしょうか?
問題文に出てくる数字が大きくなりましたが、考え方は同じです。すべて足した値を「大」、引いた数字を「小」として、「大」と「小」の和と差を求めます。
差はすでに問題文にある通り2358です。
「大」と「小」の和は1から100までの奇数をすべて足した値です。
1+3+5+7+…+93+95+97+99を計算します。
これも「1+99」「3+97」「5+95」の組み合わせがいくつあるか数えて求めます。
組み合わせは25個なので合計は2500です(これが和)。
和が2500、差が2358とわかればあとは公式にあてはめるだけ。
引いた数字を求められているので「小さいほうの数字」を求めれば答えとなります。
小 = ( 2500 − 2358 ) ÷ 2 = 71
答え.71
1,4,7,10,13,16,19,22までの8個の数字のうち7個を足したものから、残りの1個の数字を引くと72になりました。引いた数はいくつでしょうか?
正解・解説を表示
7個を足したものを「大」、残りの1個を「小」とすると、
「大」+「小」=8個の数字を足したものとなります。
1+4+7+10+13+16+19+22=92
「1+22」+「4+19」… → 23×4=92
問題文から「大」−「小」は72と分っています。
和差算の公式に当てはめると…
引いた数を求められているので「小」が答えとなる。
答え.10