「算数なんてほとんどの子が嫌い」「算数が好きなのは頭のイイごく少数の子だけ」と考えてしまうのは大人の勝手なイメージに過ぎません。
実は小学生は大人が思っている以上に算数が好きです。
文部科学省が毎年4月に行っている全国学力学習状況調査というものがあります。
対象は小学校6年生と中学校3年生。
塾が行う一部の児童生徒だけを対象としたものではないので、信頼性も高いと評判です。
この調査は学力テストとアンケートの2部構成になっています。
そのアンケートの中に算数(数学)が好きかを尋ねるものがあります。
あてはまる | どちらかといえば、あてはまる | どちらかといえば、あてはまらない | あてはまらない |
---|---|---|---|
38.8% | 27.3% | 19.1% | 14.5% |
66.1% | 33.6% |
(出所:文部科学省「平成28年全国学力学習状況調査」)
「あてはまる」と「どちらかといえば、あてはまる」を足すと66.1%。
3人に2人は算数が好きということです。
これは小学校1年生や2年生の数字ではありません。
勉強が難しくなっている小学校6年生でも、これだけの割合です。
しかも、「あてはまる」のほうが「どちらかといえば、あてはまる」よりも多いんですね。
それだけ、好きの度合いが高いともいえます。
同じ調査の国語と比べてみるとよくわかります。
あてはまる | どちらかといえば、あてはまる | どちらかといえば、あてはまらない | あてはまらない |
---|---|---|---|
23.9% | 34.6% | 26.1% | 15.1% |
58.5% | 41.2% |
(出所:文部科学省「平成28年全国学力学習状況調査」)
算数のほうが「好き」の子の割合が高く、しかも算数は「あてはまる」のほうが「どちらかといえば、あてはまる」よりも高いのが特徴です。
親が子どもは算数が嫌いという前提で、接してしまうのはマイナスです。
小学生に与える親の影響は小さくないからです。
「算数はみんなキライ(苦手)なんだから、ガマンして勉強しなさい」などと言っていると、ホントは算数が好きだった子もキライになってしまいかねません。
「算数が嫌い」と子どもが言っているからといってホントにキライとは限りません。
「好きなら得意のハズ」ということぐらい小学校高学年になればわかります。
成績が悪かったときの予防線として「算数はキライ」と言っている子も少なくないのです。
このことを把握したうえで、親としては子どもに接することが大切です。
隠している好きな気持ちを伸ばすようにしてあげましょう。