中学受験での算数勉強法(シンガポール式算数)

中学受験での算数勉強法(シンガポール式算数)

話題のシンガポール式算数を調べてみました

新聞で取り上げられたこともあり話題になっているシンガポール式算数について調べてみました。バーモデルという方法を用いて文章題を解いていく勉強法になります。

 

文章題を図にする考え方は日本にもありますが、ユニットという考え方が特徴的です。
実際の問題をもとにバーモデルというのがどんなものか解説したいと思います。

 

シンガポール式算数が注目される理由

そもそも、なぜシンガポール式算数が注目されているのでしょうか。
理由は国際的な学力テストの結果です。

 

国際的な学力テストとして行われているPISAとTIMSSの最新の結果ででシンガポールの成績がいずれの項目でも首位となりました。くわしい結果は下記の表のとおり。

 

PISA2015年結果(中学3年生対象)

順位 数学 科学 読解力
1位 シンガポール シンガポール シンガポール
2位 香港 日本 香港
3位 マカオ エストニア カナダ
(日本) 5位 2位 8位

(文科省ホームページから作成)

 

TIMSS2015結果(小学4年生、中学2年生対象)

順位 小4算数 小4理科 中2数学 中2理科
1位 シンガポール シンガポール シンガポール シンガポール
2位 香港 韓国 韓国 日本
3位 韓国 日本 台湾 台湾
(日本) 5位 3位 5位 2位

 

日本もそれほど悪い順位ではないのですが、すべて1位のシンガポールはスゴイですね。
その秘密のひとつが、バーモデルを使ったシンガポール式算数というわけです。

 

シンガポール式算数で問題を解いてみる

では、実際にシンガポール式算数を使って問題を解いてみたいと思います。

 

【問題】
ひろゆきくんは妹より300円多く一ヶ月のおこずかいをもらっています。二人のおこずかいの合計は1500円です。ひろゆきくんと妹はそれぞれいくらずつおこずかいをもらっているでしょうか?

 

これは和差算と呼ばれる問題です。二つの数字(この問題では、ひろゆきくんと妹のおこずかいの金額)の和と差から、それぞれの数字を計算する問題です。

 

和差算には公式があり、公式にあてはめて解くのが一般的です。

 

和差算の公式

  • 大きいほうの数 = (和+差)÷2
  • 小さいほうの数 = (和−差)÷2

 

問題文にあてはめると、和が1500円、差が300円です。
大きいほうの数とは、ひろゆきくんのおこずかいの金額。

 

なので、ひろゆきくんのおこずかい=(1500+300)÷2で、900円。
同様に、妹のおこずかい=(1500−300)÷2で、600円となります。

 

以上は普通の解き方。
これをシンガポール式算数のバーモデルで解くと次のようになります。

 

シンガポール式算数のバーモデル

バーモデルでは問題文を、バー(棒)を使った図にします。
問題文からわかるのは2つ。

  • ひろゆき君のほうが300円多い
  • 二人あわせると1500円

それぞれのおこずかいの金額をグラフにすると下記のようになります。

 

シンガポール式算数

 

わからないところを「ユニット」とするのが特徴です。
この図が書ければ、もう答えはわかったようなものですよね。

 

1ユニット+1ユニット+300円 = 1500円です。
なので、1ユニット+1ユニット = 1200円。

 

2ユニットで1200円なので、1ユニット=600円。
これが妹の金額で、これに300円足すとひろゆき君の金額になるというわけです。

 

シンガポール式算数での「ユニット」という考え方

こうした図で解くやり方は、どこかで見たことがある人もいるかもしれません。
日本で「線分図」という呼ばれ方をしているものと、ほぼ同じ。

 

違いは「ユニット」という言葉だけ。
線分図で解くときは、単に「この部分が…」という言い方になります。

 

ただ、この違いが小さいようで大きいのかもしれません。

 

「ユニット」という具体的な言葉があったほうが子どもたちにとってはわかりやすいのだと思われます。「ユニット」という言葉と考え方を知るのがシンガポール式算数の肝。

 

ユニットという考え方を参考にしてみてください。