
中学受験算数でよく出る通過算についての解き方の解説です。
今回は、通過算の中でトンネルの中を通過するタイプの問題についてです。
まずは、問題をみてみましょう。
【トンネルの中を通る通過算の問題】
長さが120mある列車が、480mあるトンネルの中にかくれて見えなくなっている時間が20秒ありました。この列車の速さは秒速何mでしょうか?
トンネルを通る通過算でポイントとなるのは、「トンネルを通過」する状態のこと。
大きく2つに分かれます。
(1)の場合の解き方は、鉄橋を通過する通過算の場合と同じです。
(参考記事:通過算の解き方(基本2))
例題にある「トンネルの中にかくれて見えなくなっている」のは(2)にあたります。
この場合の解き方を確認しましょう。
この問題では「列車の最後尾がトンネルに入ってから、列車の先頭が出るまで」の時間が20秒だったということになります。
速さを求めるので、この時間に進んだ距離が分かれば計算できます。
問題は、ここでの距離です。
単純にトンネルの長さではありません。
必要なのは「列車の最後尾がトンネルに入ってから、列車の先頭が出るまで」に列車が進んだ距離です。
「列車の最後尾がトンネルに入ったとき」に列車の先頭は、トンネルの入り口から列車の長さ分だけ進んだ位置にいます。
その位置からトンネルを出るまでの長さが進んだ距離になります。ということは、
となり、問題文に当てはめると
480m(トンネルの長さ) − 120m(列車の長さ) = 360m が列車の進んだ距離となります。
この距離を20秒で進んだので、速さは
360m ÷ 20秒 = 秒速18m となります。
答え.秒速18m
練習問題ではトンネルの長さを求める問題に挑戦してみましょう。
秒速20mで走っている長さ100mの列車がトンネルに完全にかくれている時間が16秒でした。トンネルの長さは何mでしょうか?
秒速20mで走っている列車が16秒で進む距離は、
から、20m × 16秒 = 320mです。
これがトンネルの長さだとすると、列車が完全にかくれることにはなりません。列車の先頭がトンネルに入って、先頭が出るまでのトンネルの長さということになります。
問題文では「トンネルに完全にかくれている」とあるので、列車の最後尾までトンネルに入っていなければなりません。そのためには列車の長さ分、トンネルが長ければOKです。
320m + 100m = 420m がトンネルの長さということになります。
答え.420m