
分数の計算問題が苦手な人がつまずきやすいのが異分母の足し算や引き算の問題です。
異分母とは、分母の数字がちがう分数のことです。
分数の足し算、引き算は分母が同じであれば分子を計算するだけでカンタンですが、分母が異なる場合は通分をしなければなりません。
ここでつまずいてしまうんですね。
例題に沿って順番に解説していきたいと思います。
【例題】次の式を計算せよ
この問題を解くには、分母が「4」と「6」なので通分をしなければなりません。
通分というのは分母を同じ数にすることです。
通分するために必要なのは最小公倍数を求めることです。
「4」と「6」の最小公倍数を求めます。
…と言われても、分数が苦手な人はこの時点でついていけないですよね。
「サイショウコウバイスウ」というのが呪文のように聞こえてしまうのではないでしょうか。
分数計算が苦手という人は分数よりも最小公倍数のことを勉強するのがポイントです。
通分と最小公倍数はセットになっています。
通分するためには分母の最小公倍数を求める必要があります。
となると、最初に理解しなければいけないのは最小公倍数というものです。
最小公倍数は、「最小(最も小さい)」「公(共通する)」「倍数」という意味です。
順番に見ていきます。
倍数というのは、ある数を1倍、2倍、3倍、倍にしていった数のことです。
例えば、3の倍数は、3の1倍、3の2倍、3の3倍…となる数字のことです。
1倍 | 2倍 | 3倍 | 4倍 | 5倍 | 6倍 | 7倍 | 8倍 | … |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3 | 6 | 9 | 12 | 15 | 18 | 21 | 24 | … |
3の段の掛け算の答えが3の倍数になります。ただし、九九では3×9までですが、10倍(3×10)、11倍(3×11)も3の倍数です。
公倍数というのは「2つ以上の数」に共通する倍数のことです。
3と4の「2つの数」で考えてみます。
1倍 | 2倍 | 3倍 | 4倍 | 5倍 | 6倍 | 7倍 | 8倍 | … |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3 | 6 | 9 | 12 | 15 | 18 | 21 | 24 | … |
4 | 8 | 12 | 16 | 20 | 24 | 28 | 32 | … |
上の段が3の倍数、下の段が4の倍数です。
上の段にも下の段にも出てきている数字が公倍数となります。
上にある表では12と24が公倍数ということになります。
いくつもある公倍数の中で最も小さいものが最小公倍数です。
3と4の公倍数は12、24、…といくつもありますが、12が最小公倍数です。
【例題】次の式を計算せよ
【例題】の式を通分するには、4と6の最小公倍数12を使います。
最小公倍数12を分母とするために、1つ目の数字(4)は3倍したので、分子も3倍して3。
2つ目の数字(6)は2倍したので、分子も2倍して10となります。
分母が同じになれば、分子同士を計算できます。
「3」+「10」=「13」。
コレが答え…というのは早とちり。
仮分数は帯分数に直しましょう。
「カブンスウ」「タイブンスウ」というのが呪文のように聞こえてしまった人は下記を確認。
仮分数を帯分数に直す。
これが答えとなります。