
旅人算の問題には次のように道のり(距離)が問題文に書かれていないものもあります。
【道のりがない旅人算の問題】
池の周りを同じ場所からAさんは時計回りに、Bさんは反時計回りに回ります。Aさんが池を1周する時間は18分、Bさんが池を1周する時間が30分のとき、AさんとBさんは同時に出発してから何分後に出会いますか?
図にすると下記のようになります。
AさんとBさんが同時に出発して何分後に出合うかという問題です。
「池の周りを1周する」のであれば池の形は関係ありません。丸でなくても楕円でも図のようにデコボコがある形でも同じです。ただ、この問題には池の周りの長さが書かれていません。
どのように解けばよいのでしょうか?
問題文を整理します。
まず、この「18」と「30」の最小公倍数を求めます。
最小公倍数の求め方は覚えていますか?
2つの数字を並べて、共通する数で割って行くのです。
2つの数字を割れる数字がなくなるまで続けます。
最後に外側の数字(赤い字の部分)をかけたのが最小公倍数です。
2×3×5×3=90。
この最小公倍数を「仮の」道のりとするのです。
上の例では「90」が「仮の」道のり(距離)となります。
あくまで「仮の」道のりなので、単位は関係ありません。
単位がないとわかりにくいのであれば、kmでもmでもcmでも好きな単位をつけておきます(以降は説明のために距離の単位としてkmをつけます)。
仮の道のりが90kmだということがわかりました。
これを問題文にあてはめると、次のようになります。
ここから、1分あたりだと、どのぐらい進むかを求めます。
ココまでを整理すると、次のような問題と同じであることがわかります。
【読み替えた旅人算の問題】
1周90kmある池をAさんとBさんが同じ場所から反対方向に向かって同時にスタートします。Aさんは1分間で5km進み、Bさんは1分間で3km進むとすると、二人が出会うのは出発してから何分後ですか?
こうなると通常の旅人算と同じですね。
反対方向に進む場合は速さの和が二人のあいだの縮まる距離となります。
この場合、5+3=8kmが1分ごとに縮まる距離です。
反対方向に向かうということは、二人のあいだの距離は1周=90kmです。
二人のあいだの距離が0になれば、二人は出会うので、それまでの時間は
90km÷8km=11.25分。
これが答えとなります。
答え.11.25分後
問題を解くときに途中で距離の単位を「km」にしましたが、「m」にしても「cm」にしても、答え=11.25分後は同じです。なので、仮の道のりの単位は関係ないというわけです。