中学入試で出題される「場合の数」「順列」の問題にはいくつかの決まったパターンがあります。
この基本パターンを覚えてしまうことが、応用問題も解けるようになるコツです。
まずは、基本問題で解き方だけでなく考え方も理解するようにしましょう。
【場合の数の問題パターン(順列)】
1,2,3,4,5の5枚のカードを使って2ケタの数字を作るとき、何通りの数字ができますか?ただし、同じ数字のカードは1度しか使えません。
順列は、並んでいる順番がちがえばちがうものと考えます。
123と132や213は、ちがうものとするのが順列で、同じ数字を使っている(順番が違うだけ)から同じものとするのが組み合わせです。
考え方を整理するために考えられる順番を書き出してみます。
1枚目のカード | 2枚目のカード | できた数字 |
---|---|---|
1 | 2 | 12 |
1 | 3 | 13 |
1 | 4 | 14 |
1 | 5 | 15 |
1枚目のカード | 2枚目のカード | できた数字 |
---|---|---|
2 | 1 | 21 |
2 | 3 | 23 |
2 | 4 | 24 |
2 | 5 | 25 |
上にある2つの表がほとんど同じなのに気づきましたか?
1枚目のカードが「1」から「2」に変わってもパターンは同じ。
2枚目には1枚目のカード以外の4枚が来ます。
ここで1枚目のカードになる数字がいくつあるか考えてみます。
1,2,3,4,5の5枚ですよね。
その5枚それぞれに2枚目のパターンが4つあるというわけです。
なので、合計は5×4=20となります。
答え.20通りの数字ができる
一番カンタンな2ケタの問題で考えましたが、3ケタの数字になっても考え方は同じです。
1枚目のカード | 2枚目のカード | 3枚目のカード | できた数字 |
---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 123 |
1 | 2 | 4 | 124 |
1 | 2 | 5 | 125 |
1枚目のカード | 2枚目のカード | 3枚目のカード | できた数字 |
---|---|---|---|
1 | 3 | 2 | 132 |
1 | 3 | 4 | 134 |
1 | 3 | 5 | 135 |
整理すると次のようになります。
答えは、5×4×3=60通りとなります。
場合の数の問題では、よく出る引っかけ問題があります。
【場合の数の問題パターン(順列)】
0,1,2,3,4の5枚のカードを使って2ケタの数字を作るとき、何通りの数字ができますか?ただし、同じ数字のカードは1度しか使えません。
最初の問題と違うのは、「1,2,3,4,5」と「0,1,2,3,4」だけです。
使う数字は同じ5つだから、組み合わせ数も同じと考えるのは間違い。
「0,1,2,3,4」でなく「5,6,7,8,9」だったら、その考え方であっています。
(1,2,3,4,5のときと同じで20通りが答え)
気をつけなければならないのは「0(ゼロ)」が入ったときです。
「10」は2ケタの数字ですが、「01」は2ケタの数字ではありません。
「0」は数字の先頭にはならないことを考えて解かなければならないのです。
整理して考えてみます。
1枚目のカード | 2枚目のカード | できた数字 |
---|---|---|
1 | 0 | 10 |
1 | 2 | 12 |
1 | 3 | 13 |
1 | 4 | 14 |
1枚目のカード | 2枚目のカード | できた数字 |
---|---|---|
2 | 0 | 20 |
2 | 1 | 21 |
2 | 3 | 23 |
2 | 4 | 24 |
1枚目のカードが「1」でも「2」でも、全部で4通りとなります。
1枚目のカーどとして有効なのは「0」以外の「1,2,3,4」で4通り。
4通り×4通り=16通りとなります。
答え.16通り