倍数算とは、「比」や「割合」の変化に関する問題のことです。
いくつかのパターンがありますが、基本的なパターンを覚えてしまえば、むずかしくありません。
まずは例題を見てみましょう。
【倍数算の例題】
あすかさんとすぐる君の所持金の比は2:1でしたが、あすかさんが200円使ったところ、あすかさんとすぐるくんの所持金の比は3:2になりました。あすかさんが最初に持っていた金額を求めなさい。
文章題はポイントを整理することが大切です。
上の例題のポイントを書き出してみます。
求められているのは、最初にあすかさんが持っていた金額です。
「所持金…2(あすか):1(すぐる)」のときの金額はいくらかという問題です。
倍数算の問題では「AさんとBさんのナニナニの比は●:▲でした」といった文章が出てきます。この場合、比(●:▲)は先に出てきた名前の順に書かれています。
「AさんとBさん」となっていれば「Aさん」が先に書かれているので、「●:▲」でも先に書かれている「●」が「Aさん」です。間違えないようにしましょう。
倍数算を解くには、2人うちどちらかの比の値を同じにするのがポイントです。
あすか | : | すぐる |
---|---|---|
2 | : | 1 |
3 | : | 2 |
すぐる君の比を「2」でそろえると次のようになります。
あすか | : | すぐる |
---|---|---|
4 | : | 2 |
3 | : | 2 |
2:1だった比を「×2」して、4:2にしました。
すぐる君の比を1から2にするには「2倍」する必要があります。
あすかさんの比も「2倍」するのを忘れないでください。
比の値を変えるのはかけ算です。「1を足す」としては間違いです。
上の表を見ると、あすかさんの比が4から3に変わったことがわかります。
4−3=1なので、比の値が「1」減ったことになります。
問題文には「あすかさんが200円使った」とあります。
つまり、200円が比の値だと「1」にあたるということです。
求められているのは「最初にあすかさんが持っていた金額」です。
最初のあすかさんの比の値は「4」です。
ケアレスミス注意!そろえたほうの比の値を使います。そろえる前の「2」にしない!
4×200=800円。
答え.800円
あすか | : | すぐる |
---|---|---|
800円 | : | 400円 |
−200円 | : | |
600円 | : | 400円 |
800円:400円=2:1だったのが、200円使ったことで、600円:400円=3:2になりました。これが倍数算の考え方です。